使用済パソコンのデータ消去とリサイクル(一般向け)

パソコンを廃棄したり、他人に譲渡したりする場合に、搭載されているハードディスクやメディアから情報が漏洩する可能性があります。

中古パソコンに前の所有者が利用しているデータがそのまま残されていたというトラブルが発生しているだけでなく、企業で利用していた形跡のある中古のパソコンやハードディスクを意図的に購入して、そこに保存されているデータを探し出すという方法で機密情報を入手するという手口も、実際に使われているようです。

「重要な情報が入っていない」は間違い!

パソコンの中のハードディスクやSSDなどの記憶装置に、使った人の重要なデータが記録されています。

個人の情報 自分の個人情報 氏名、性別、生年月日、年齢、本籍、住所、マイナンバー、指紋、メールアドレス、メール、電話番号、健康情報、家族構成、写真や動画、職業、勤務先
金融情報 銀行口座情報、クレジットカード情報、収入、家計や請求・支払の記録
ネットでの個人情報 プロバイダ・サービスのID、パスワード、利用したサービスの履歴、閲覧したページの履歴、検索したキーワード、送受信したメールの内容、購入した商品、趣味嗜好
家族や友人の個人情報 ※「自分の個人情報」に同じ

企業や団体が使用したパソコンには、さらに広範囲な重要なデータが記録されています。万一、情報が外部流出すれば、事実関係の調査、被害の拡大防止、善後策の検討、関係者・団体への報告など膨大な手間や金銭的な負担・損失、社会的制裁、法的責任まで問われる可能性があります。

企業・団体の情報 財務情報 貸借対照表、損益計算書、勘定科目の内訳書、利益処分案又は株主資本等変動計算書
人事情報 従業員等の個人情報(個人の携帯電話番号や自宅の住所等)、採用時の応募者の個人情報(応募時の履歴書や職務経歴書等の書類)給与・賞与の金額や確定申告に関するデータ、昇給・昇格等の評価や転勤・異動に関する発表前の情報、社員の出社~退社の時間や残業時間についての情報
顧客情報 氏名、フリガナ、生年月日、性別、会社名、部署、役職、連絡先、郵便番号、住所、電話、携帯電話、FAX、E-mail、URL、来店日、購買志向、紹介者、購買履歴(日時、商品、価格、数量、支払い方法、担当者など)
技術情報 開発情報、ノウハウ、デザイン、研究結果、論文、教育内容

ところが、これらのデータを消去するのは、それほど簡単ではありません。「データを消去する」という場合、一般的に次のような操作が想定されます。

① 「ごみ箱」に捨てる ② 「削除」操作 ③ 「ごみ箱を空にする」

④ ソフトウェアで初期化(フォーマット) ⑤ 付属のリカバリーメディアで工場出荷状態に戻す

まず①では、復元することは簡単です。さらに②~⑤でも、記録されたデータのファイル管理情報、例えれば「目次」が変更されるだけで、実際はデータが探しにくくなっただけがほとんどです。したがって、特殊なソフトウェアを利用すれば、消去したはずのデータを読みとることは可能です。悪意のある人によって、パソコンの記憶装置上の重要なデータが読みとられ、予期しない用途に利用される恐れがあります。

情報を安全に消去するための方法は、次のふたつです。

  • 専用ソフトウェアでの消去
    • ハードディスク内を消去用データで上書きし、二度と読み取りできないようにします。専用ソフトが必要で、操作が難しく、また時間がかかります。
  • 物理的な破壊
    • ハードディスク内の円板状の装置を、ハンマーやドリルなどで直接破壊。適切に破壊できれば復元可能性はゼロに近いですが、一般的には難しく、しかも危険ですから、お勧めできません。

TOPIERでは、現在個人を対象に、無料で回収とデータ消去を行っています。※期間限定

回収されたパソコンのほとんどは、リサイクル(分解資源化、下記参照)にまわります。ごく一部はセキュリティを十分に確認した上で、再生パソコンになり、社会貢献に役立てられます。